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おはようからおやすみまで土嚢

エフエフの6【ゲームの思い出話】

みなさんはファイナルファンタジー6という作品をご存知だろうか。
この作品はスーパーファミコンで発売されたファイナルファンタジーシリーズの最後の作品であり、僕がテレビゲームに初めて触れた作品である。
 
僕がゲームにおいて重要視する点はグラフィック(ドット絵)、音楽、キャラクターである。
 
その基準となったゲームがこのファイナルファンタジー6なのである。
 
当時まだ僕は5歳とか4歳とかそれぐらいであったと思う。
家にはスーパーファミコンがあって、兄に絶対にやるなよ、と釘を刺されていた。
その理由は後述するが、ダメと言われたらやりたくなるのが人の性だろう。
 
だが4、5歳のガキンチョにその理由も告げずダメと言い聞かせたところで余計にやりたくなるのは仕方のない事だろう。
思春期に初めて触れたインターネットでおっぱいと検索してしまうくらい仕方のない事なのである。
 
アダプタはコンセントに挿さったまま、カセットも挿してある。
電源を入れればゲームはすぐに始められる状態でテレビの前に置かれていた。
 
僕は躊躇なく電源を点けた。
 
真っ暗な画面が表示され、数秒の後に低音から始まる曲が流れ始める。
低音は段々と音数が増え、重厚な感じの和音となった。
真っ暗だった画面は雷雲をゆっくりとスクロールし、BGMの緊張感が最も高くなった頃、僅かな休符を挟んでクレッシェンド気味の和音と共にFINAL FANTASY VIのロゴが一気に現れる。
 
その後もいくつもゲームをやったが、初めてやるゲームは必ずオープニングを見てからプレイする。
しかし、後にも先にもFF6を超えるシンプルかつ衝撃的なオープニングのゲームには出会っていない。
 
ちなみにそのオープニングがこれである。
 
何度見てもかっこいい限りである。
 
オープニングもエンディングそろそろ終わったかというとこでボタンを押した。
 
するとオープニングイベントが始まる。
 
 
それがこれである。
 
主人公的な女性と兵士風な奴2人が何かロボット的な奴に登場して町へ向かう。
 
風景は段々と行き先であろう街の灯りが見えてくるのである。
 
分かるだろうか、このワクワク感が。
 
オープニングだけでもこの魅力なのである。
 
僕はそれから現在に至るまで何度もこのゲームもやった。
やればやるほどに面白いのだ。
 
更に、オープニングもそうであるが、戦闘中の曲からボス戦、イベント戦、果てはマップBGMにまで全てがメインテーマであり、サウンドトラックを入手するほどにゲーム中の曲が素晴らしいのである。
 
また、この作品もSFC後期の作品ということもあって、アニメーションは無いが敵グラフィックや攻撃演出、召喚獣のデザイン等含めかなりの完成度のドット絵になっている。
特に好きなのは序盤にイベント戦で出てくるケフカのデザインだ。
ケフカ自体は物語の序盤から度々登場するが、言動からかなりイかれたキャラであるのは見て取れる。
しかしながら、マップ上に登場する姿はデフォルメされた二頭身キャラなので、それまでの言動はその姿から緩和されていた。
しかし敵グラフィックとして初めて現れた彼の姿は、まさにそれまでの立ち居振る舞いを象徴するかのような姿だ。
 
それがこれである。
 

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ふざけている。これ完全にイかれてるでしょ。
あ、これはまずい奴やな、って一目見て分かるでしょ。
こいつが今まで散々やってきた悪行、サイコパスで部下に嫌われてたっていうのも頷けるようなデザインでしょ。
ていうかこんな格好の幹部なのに解雇しないガストラさんにも問題あると思うよ。服務規程とかしっかりしてんの?
 
キャラデザの天野さんもドット打ちも天才的な出来栄えだと思います。
 
そして、ゲームには様々なキャラクターが登場し、それぞれが個性のある面々なのである。
ゲームの進行上、全てのキャラクターのストーリーは追わなくてもクリア出来るだが、それぞれにストーリーがあって、それを追うのもこのゲームの醍醐味の一つなのである。
ゲームをやった印象としては登場キャラ全員主人公、といったところだ。
 
中でもやっぱりトップクラスに好きなのはティナ・ブランフォードだ。
なんせカワイイ。
個人的にはFFシリーズではユフィも好きだが、それ以上にやっぱりティナが好き。
ティナカワイイ。
何がカワイイって全部。もう守ってあげたくなっちゃう。
いや、ホントに。圧倒的に可愛い。
後にPSPで出たディシディアファイナルファンタジーでも使うのはティナ一択だ。
娘が出来たらティナと名付けたい。
ティナのトランスファイガ食らいたい。
アッチッチー、ゆでだこ?ゆでだこ?
 
しかしながらこのソフト。
唯一にして致命的である欠点、兄に釘を刺された理由が存在した。
 
話は初めてプレイした時に遡る。
僕は魔導アーマーに乗ったティナを操作し、訳が分からないものの街を散策して歩いた。
序盤は魔導アーマーに乗っているので、出てくる敵も雑魚に感じるほどにこのアーマーが強い。
保育園児にも良心的な設計のゲームなのである。
 
でまぁそうこう街を散策しているうちに玄関が開く音が聞こえてきた。
 
兄が帰ってきたのである。
 
僕は「流石にやっているところを見られるのはまずい」と保育園児ながら頭をフルで回転させ、ゲームをすぐに消した。
 
我ながら天才である。
 
幸い兄は居間にすぐに入ってくることはなく、どうやらすぐさまウンコをしに行ったようだ。
いつの時代も小学校でウンコをするという行為は危険なのだろう。
 
ウンコから居間に戻ってきた兄は直ぐにスーファミを起動した。
帰宅して直ぐにゲームとは中々のゲーム狂である。
 
僕は兄が始めたゲームを後ろから眺めていた。
オープニングを見る事もなく直ぐにゲームを始めたようである。
そしてオープニングイベントが始まった。
 
そう、オープニングイベントが始まったのである。
 
兄は舌打ちしながら鬼のような形相でこちらを振り返った。
 
怒っている様子なのは火を見るより明らかであった。
何があったのかは預かり知らぬところではあるのだがとにかく怒っているのである。
 
テレビには魔導アーマーに乗った3人が町へ向かう姿。
僕の前には憤怒の表情の兄がこちらに向かってくる。
 
兄が僕の頭をゲンコツすると
 
「お前セーブ消しただろ!!!!」
 
兄が怒鳴った。
 
FF6はデータがある場合、オープニングを飛ばすとデータの選択画面が表示され、ゲームを続きからプレイすることが出来る。ところがデータがない場合は、直ぐにオープニングイベントが始まる。
つまりオープニングイベントが始まるという事はデータが消えているということなのである。
どういうわけか、僕はゲームのデータを消してしまっていたのである。
 
そしてこれは数年間、いや十数年間僕を悩ませたのである。
 
尋常ではないほどデータが脆いのだ。
 
これはロットにもよるのであろうがとにかくうちにあったFF6はデータが消えた。
 
オルトロスを倒してはデータが消え、魔大陸が崩壊してはデータが消え、ラスダンに入ってはデータが消え。
 
何度も何度もデータが消えた。
その度に僕は何度も記憶を失ったティナと再会した。
やればやるほどにデータが消えるのだ。
 
 
 
それ故ここまで語っておきながら僕は未だにこのゲームをクリアしたことがない。
 
兄の拳は僕の脳天を捉えた。
 
泣き叫ぶ自分。
怒鳴る兄。
評価
★☆☆☆☆☆☆
(突然の評価システム)
 
 
致命的なのである。
データが消えるということは。
(ゲーム内容的には文句なしの星7つです)
 
しかし、この作品に対する思いは消えることはないほど好きです。
あとティナも。